安全データシート

4-ニトロアニソール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-ニトロアニソール
  • CB番号: CB0182966
  • CAS: 100-17-4
  • EINECS番号: 202-825-3
  • 同義語: 4-ニトロアニソール,1-メトキシ-4-ニトロベンゼン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 医薬・染料中間体 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009
物理化学的危険性
自己反応性化学品   タイプG
健康に対する有害性
発がん性   区分1B
分類実施日(環境有害性)
ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
環境に対する有害性
水生環境有害性 短期(急性)   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H351 発がんのおそれの疑い。
H412 長期継続的影響によって水生生物に有害。
注意書き
安全対策
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P273 環境への放出を避けること。
応急措置
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 1-Methoxy-4-nitrobenzene
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C7H7NO3
  • 分子量: 153.14 g/mol
  • CAS番号: 100-17-4
  • EC番号: 202-825-3
  • 化審法官報公示番号: 3-787
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
窒素酸化物(NOx)
可燃性。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 6.1C: 可燃性、急性毒性カテゴリー3 / 毒性化合物または慢性効果を引き起こす化合物
保管条件
密閉のこと。 乾燥。 換気のよい場所で保管する。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
淡黄色
臭い
データなし

融点/凝固点

52 ℃(GESTIS(2021)) 54.0 ℃(PubChem(2021))

沸点、初留点及び沸騰範囲

258~260 ℃(GESTIS(2021)) 274.0 ℃(PubChem(2021)) 260 ℃(危険物災害等支援システム(2021))

可燃性

可燃性(GESTIS(2021))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

ca.1.0 vol.%(GESTIS(2021))

引火点

130 ℃(Closed cup)(GESTIS(2021)) >230 °F(PubChem(2021)) 148 ℃(危険物災害等支援システム(2021))

自然発火点

>280 ℃(危険物災害等支援システム(2021))

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: 0.468 g/l(20℃)(GESTIS(2021)) 水: <1 mg/mL(75°F)(PubChem(2021)) エタノール、エーテル、煮沸石油に易溶(危険物災害等支援システム(2021))

n-オクタノール/水分配係数

Log Kow: 2.03(GESTIS(2021)、PubChem(2021))

蒸気圧

1 mm Hg(127°F)(PubChem(2021))

密度及び/又は相対密度

1.233 g /cm³(25℃)(GESTIS(2021)) 1.254 (68°F)(PubChem(2021)) 1.233 (20/4℃)(危険物災害等支援システム(2021))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。
可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
通常想定される。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤, 強塩基類

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は2600 mg/kg(BUA 10(1987))および4700 mg/kg(BUA 10(1987))に基づき、分類JISによる区分に該当しない(国連GHS分類の区分5に相当)とした。
経皮
ラットLD50値は>16000 mg/kg bw(BUA 10(1987))に基づき、区分に該当しないとした。
吸入: ガス
GHS定義における固体である。
吸入: 蒸気
データなし。
吸入: 粉じん及びミスト
データなし。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギに24時間適用した試験で、刺激性なし(no irritant)との結果(BUA 10(1987))に基づき区分に該当しないとした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いた試験で、刺激性は適用1時間後が最大でドレイズスコアは7(最大110)であったことに加え、角膜上皮の損傷は観察されず、適用96時間後には僅かの刺激も観察されなかったとの結果(BUA 10(1987))に基づき、区分に該当しないとした。

呼吸器感作性

データなし。

皮膚感作性

データなし。

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験で陽性(BUA 10(1987))、チャイニーズハムスターのV79細胞を用いる遺伝子突然変異試験(HGPRT tests)で陰性(BUA 114(1993))、ハムスターのV79細胞を用いる染色体異常試験で陰性(BUA 114(1993))、の報告がある。また、当該物質は労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。

発がん性

【分類根拠】 (1)、(2)より、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたこと及び(3)より健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質であることを重視し、区分1Bとした。旧分類からIARC及び日本産業衛生学会の分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による2年間がん原性試験において、投与群の雌雄に肝細胞腺腫の発生増加、雌に子宮腺がんの発生増加が認められた(厚労省委託がん原性試験結果 (2004))。 (2)マウスを用いた混餌投与による2年間がん原性試験において、投与群の雌雄に肝芽腫、肝細胞がんの発生増加が認められた(厚労省委託がん原性試験結果 (2004))。 (3)本物質は健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。 (4)国内外の評価機関による発がん性分類として、IARCではグループ2B(IARC 123 (2020))、日本産業衛生学会では第2群B(許容濃度等の勧告 (2020):2019年分類)に分類している。

生殖毒性

データなし。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

ラットの経口投与による急性毒性試験(LD50 = 4700 mg/kg)の剖検所見として、微細脂肪滴を伴う肝臓および腎臓の脂肪変性などの記載(BUA 10(1987))があるが、ガイダンス値を超えた用量での所見であり、カットオフ値付近での変化が不明のため分類できない。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

ラットに28日間経口投与した唯一の反復ばく露試験では、最高投与量200 mg/kg bw(90日換算;62.2 mg/kg bw/day)においても肝臓重量の軽度増加以外に変化が見られていない(BUA 114(1993))が、ガイダンス値範囲内の用量である。その他にデータなく分類できない。

誤えん有害性*

データなし。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

藻類に対する毒性
EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 31 mg/l - 72 h

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

生体蓄積性 Procambarus clarkii - 15 h
- 100 μg/l(4-ニトロアニソール)
生物濃縮因子(BCF): 0.18

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3458    IMDG (海上規制): 3458    IATA-DGR (航空規制): 3458

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): NITROANISOLES, SOLID
IMDG (海上規制): NITROANISOLES, SOLID
IATA-DGR (航空規制): Nitroanisoles, solid

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 6.1    IMDG (海上規制): 6.1    IATA-DGR (航空規制): 6.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤, 強塩基類

15. 適用法令

労働安全衛生法

変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

船舶安全法

毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)

道路法

車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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