急性毒性
                    
                    経口
                    
                    ラットのLD50値は630 mg/kg[GLP準拠]および1470mg/kg[OECD TG 401](以上SIDS (2011))である。GHS分類:区分4   ラットのLD50値は630 mg/kg[GLP準拠]および1470mg/kg[OECD TG 401](以上SIDS (2011))に基づき区分4とした。
                    
                    経皮
                    
                    ウサギのLD50値は>2010 mg/kg [GLP準拠](SIDS (2011))である。GHS分類:区分外(国連分類基準:区分5)   ウサギのLD50値は>2010 mg/kg [GLP準拠](SIDS (2011))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
                    
                    吸入:ガス
                    
                    GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外   GHSの定義における液体である。
                    
                    吸入:蒸気
                    
                    ラットの4時間ばく露によるLC50値は232~334 ppm [OECD TG 403; GLP準拠](SIDS (2011))である。GHS分類:区分2 なお、試験濃度(232-334 ppm)が飽和蒸気圧濃度(42632 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。   ラットの4時間ばく露によるLC50値は232~334 ppm [OECD TG 403; GLP準拠](SIDS (2011))に基づき、区分2とした。なお、試験濃度(232-334 ppm)が飽和蒸気圧濃度(42632 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。
                    
                    吸入:粉じん及びミスト
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
                    
                    皮膚腐食性及び刺激性
                    
                    ウサギ6匹の皮膚に本物質原液0.5 mLを4時間の半閉塞適用した試験(GLP準拠)で紅斑と浮腫が適用後21日まで認められ、刺激性の最大スコアは7.0/8.0でり、6匹全例の適用部位に壊死が存在し、本物質は腐食性(corrosive)と評価されている(SIDS (2011)。GHS分類:区分1
                    
                    眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
                    
                    ウサギの結膜嚢に未希釈の本物質0.1 mLを滴下した試験で、24時間後の刺激性の最大平均スコア(AOIに相当)は39.8/110で中等度の刺激性(moderately irritating)との評価(SIDS (2011))があり、また、別の試験でウサギの眼結膜嚢に未希釈の本物質0.05 mLを滴下により、眼に対し著しい反応が見られ、発赤と浮腫は軽快したが、角膜混濁は8日間の観察期間終了まで持続し、眼に重大な損傷のリスクがあると結論されている(SIDS (2011))。GHS分類:区分2Aとした。   ウサギの結膜嚢に未希釈の本物質0.1 mLを滴下した試験で、24時間後の刺激性の最大平均スコア(AOIに相当)は39.8/110で中等度の刺激性(moderately irritating)との評価(SIDS (2011))、また、別の試験でウサギの眼結膜嚢に未希釈の本物質0.05 mLを滴下により、眼に対し著しい反応が見られ、発赤と浮腫は軽快したが、角膜混濁は8日間の観察期間終了まで持続し、眼に重大な損傷のリスクがあると結論された(SIDS (2011))ことにより、区分2Aとした。
                    
                    呼吸器感作性
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
                    
                    皮膚感作性
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
                    
                    生殖細胞変異原性
                    
                    in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験で弱陽性(SIDS (2011))の報告がある。GHS分類:分類できない   in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験で弱陽性(SIDS (2011))の報告がある。
                    
                    発がん性
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
                    
                    生殖毒性
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
                    
                    特定標的臓器毒性(単回ばく露)
                    
                    ラットの急性経口毒性試験(500~800 mg/kg)のLD50値は638 mg/kgであり、毒性症状として、活動低下、運動失調、身体の震え、縮瞳、散瞳、下垂などが観察された(SIDS (2011))。また、別のラットの急性経口毒性試験(316~3160 mg/kg)(OECD TG 401)のLD50値は1470 mg/kgであり、1000 mg/kgで鈍麻、異常興奮、不安定歩行、1470 mg/kg以上で姿勢異常、無緊張、疼痛反射と眼瞼反射の低下を伴った麻酔様状態が認められた(SIDS (2011))。以上の症状に基づき、ガイダンス値区分2に相当する用量で認められていることから、GHS分類:区分2(神経系)とした。 一方、ラットに 1.144または1.647 mg/Lを4時間吸入ばく露(蒸気)した試験(OECD TG 403; GLP)で呼吸窮迫症状が見られ、全例が死亡した1.647 mg/L群の剖検では、肺の重量増加および膨張が認められ、気管支は暗赤色に変化し、白色の泡状液体を伴っていた(SIDS (2011))。また、ラットに 1.14~5.15 mg/L/1h(0.57~2.58 mg/L/4h)の吸入ばく露(蒸気)により、鼻出血、喘ぎ、鼻分泌物、呼吸音などが観察され、生存例の剖検所見として、0.74 mg/L/4hで肺の淡色、肺水腫、1.38 mg/L/4hで肺に赤色斑点が認められた(SIDS (2011))。以上より、ガイダンス値区分1の範囲で肺および上気道に影響が認められている。GHS分類:区分1(呼吸器)   ラットの急性経口毒性試験(500~800 mg/kg)のLD50値は638 mg/kgであり、毒性症状として、活動低下、運動失調、身体の震え、縮瞳、散瞳、下垂などが観察された(SIDS (2011))。また、別のラットの急性経口毒性試験(316~3160 mg/kg)(OECD TG 401)のLD50値は1470 mg/kgであり、1000 mg/kgで鈍麻、異常興奮、不安定歩行、1470 mg/kg以上で姿勢異常、無緊張、疼痛反射と眼瞼反射の低下を伴った麻酔様状態が認められた(SIDS (2011))
                    
                    特定標的臓器毒性(反復ばく露)
                    
                    データなし。なお、ピバル酸(本物質の加水分解物)についてはをラットに28日間経口投与した試験(OECD TG 407; GLP)の報告があるが、100および300 mg/kg/dayで刺激によるとされた鼻分泌物を伴った首振りとくしゃみの症状のみで、生化学検査値で一部軽度の変化が観察されたが、組織学的に関連する影響は見られず、亜急性毒性は低いと報告されている(SIDS (2011))。GHS分類:分類できない   データなし。なお、ピバル酸(本物質の加水分解物)についてはをラットに28日間経口投与した試験(OECD TG 407; GLP)の報告があるが、100および300 mg/kg/dayで刺激によるとされた鼻分泌物を伴った首振りとくしゃみの症状のみで、生化学検査値で一部軽度の変化が観察されたが、組織学的に関連する影響は見られず、亜急性毒性は低いと報告されている(SIDS (2011))。
                    
                    吸引性呼吸器有害性
                    
                    データなし。GHS分類:分類できない   データなし。