急性毒性
経口
マウスLD50値は887 mg/kg bw(RTECS (2006); TOERD9 Toxicological European Research.1, 23, 1978)。(GHS分類:区分4)
経皮
データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入
吸入 (粉じん・ミスト):データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入 (蒸気):データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入 (ガス):GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)
皮膚腐食性・刺激性
自動車修理工場において本物質のパウダーを誤って床にこぼしてしまい、それに30分程度ばく露したヒトが、急性症状(皮膚のいたがゆさ)を訴えたという報告があるが、63%が4時間以内に、全員が24時間以内に症状が消散しており、一時的刺激で、重大な後遺症はないとされている(HSDB (2002)、The EFSA Journal 263(2005))。皮膚刺激性が示唆されるが、その他に区分を特定する十分な情報はない。(GHS分類:データ不足で分類できない)
眼に対する重篤な損傷・刺激性
自動車修理工場において本物質のパウダーを誤って床にこぼしてしまい、それに30分程度ばく露したヒトが、急性症状(眼の熱傷、過度な流涙)を訴えたという報告があるが、63%が4時間以内に、全員が24時間以内に症状が消散しており、一時的刺激で、重大な後遺症はないとされている(HSDB (2002)、The EFSA Journal 263(2005))。眼刺激性が示唆されるが、その他に区分を特定する十分な情報はない。(GHS分類:データ不足で分類できない)
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性
エームス試験で陽性および陰性、ホエジカの線維芽細胞での染色体異常試験で陽性の結果があるが、エームス試験の陽性は不純物の影響によるとされている(The EFSA Journal 263(2005))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない)
発がん性
IARCにおいてGroup 3(IARC 16 (1978))。ラット及びマウスの長期(約2年)の経口及び経皮投与試験において、本物質に発がん性があるとの証拠は得られていない(IARC 16 (1978))。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性
、マウス、ラット、ウサギ、イヌにおいて催奇形性が認められなかったとの報告が複数ある(HSDB (2002)、Birth Defects (3rd, 2000)、Teratogenic (12th, 2007))が、親の性機能、生殖能への影響が不明である。(GHS分類:データ不足で分類できない)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
自動車修理工場において本物質のパウダーを誤って床にこぼしてしまい、それに30分程度ばく露したヒトが、急性症状(鼻の熱傷、胸の痛みや締め付けられるような感覚、咳、呼吸困難、のどの痛み、胸焼け)を訴えたという報告(HSDB (2002)、The EFSA Journal 263(2005))がある。(GHS分類:区分3(気道刺激性))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
ラットを用いた18週間の混餌試験(0、0.1、0.25、0.5、1.0 or 2.0% ;100、250、500、1000 mg/kg/bw)において、最高用量を投与した群に肝障害が認められたのとの報告があるが(IARC 16 (1987))、いずれも区分外の投与量であり、このデータのみでは分類できない。(GHS分類:データ不足により分類できない)
吸引性呼吸器有害性
データなし。(GHS分類:分類できない)