安全データシート

4-ニトロトルエン-2-スルホン酸

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-ニトロトルエン-2-スルホン酸
  • CB番号: CB5153277
  • CAS: 121-03-9
  • 同義語: 4-ニトロトルエン-2-スルホン酸

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 染料中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:010-86108875

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
皮膚腐食性/刺激性   区分1
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
オゾン層への有害性   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
金属腐食のおそれ
注意書き
[安全対策]
他の容器に移し替えないこと。
粉じん、ミストを吸入しないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
物的被害を防止するため流出したものを吸収すること。
[保管]
耐食性のある容器に保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 4-ニトロトルエン-2-スルホン酸水和物
  • 濃度又は濃度範囲: : >95.0%(T)
  • CAS RN: : 121-03-9
  • 化学式: : C7H7NO5S・xH2O
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-2011
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

に医師に連絡すること。
被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち

皮膚に付着した場合:

洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。耐食性のある装置や器具を使用する。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。他の容器に移し替えないこと。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体(MSDS(東京化成工業) (2012))
赤黄色 - 濃赤黄色(MSDS(東京化成工業) (2012))
臭い
データなし。
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
1.5 (10 g/L)(IUCLID (2000))

融点・凝固点

133.5℃(Sax (11th, 2004))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし。

引火点

> 133℃(CC)(IUCLID (2000))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.0000000219 mmHg(25℃)(SRC Phys Prop (Access on Aug. 2012))

蒸気密度

データなし。

密度

1.42 g/cm3(20℃)(IUCLID (2000))

溶解度

易溶:エタノール、ジエチルエーテル、クロロホルム(CRC (91st, 2010))
水:約 500 g/L 15℃(IUCLID (2000))

n-オクタノール/水分配係数

-0.8 (EST)(SRC Phys Prop (Access on Aug. 2012))

自然発火温度

500℃以上(IUCLID (2000))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 硫黄酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた急性毒性試験で、500 mg/kg投与で雌雄とも死亡例はなく、1000 mg/kg投与で雌雄各5例中1例、2000 mg/kg投与で雄5例全例と雌5例中4例が死亡したとの結果(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))から、LD50値は1000~2000 mg/kgと推定され、区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
ラットLD50値は > 3000 mg/kg(IUCLID (2000))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギの皮膚に本物質20mgを24時間適用した試験で中等度の刺激性(moderately irritating)と報告されている(IUCLID (2000)、RTECS (1997))が、本物質は水溶液のpHが2以下である(IUCLID (2000))との知見により、区分1とした。GHS分類:区分1

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギの眼に本物質20mgを適用した試験で強い刺激性(highly irritating)と報告され(IUCLID (2000)、RTECS (1997))、本物質は水溶液のpHが2以下である(IUCLID (2000))との知見により、区分1とした。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験(OECD TG 471, 472、GLP)で陽性(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))および陰性(IUCLID (2000))の両方の結果が得られ、CHL細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG 473, GLP)は陰性の結果(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))が報告されている。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422;GLP)において、高用量(700 mg/kg/day)群で、親動物に喘鳴、腹部膨満、削痩、自発運動の減少などの毒性症状、体重増加抑制、摂餌量の低値が認められ、雌ではさらに2例が死亡または切迫屠殺された。同用量では、性周期、交尾率、受胎率、妊娠期間、出産率、黄体数、着床率、分娩率などの生殖指標のいずれにも被験物質投与の影響は認められず、新生仔に及ぼす影響として、雌雄の体重と生後4日における生存率に低値傾向が認められたが、生存仔数、死産仔数、出生率、性比など仔の発生指標にも投与の影響はなく、外表異常児もみられなかった(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))。以上の結果より、性機能および生殖能に対する悪影響は認められなかったが、仔の発生に対する影響については分娩前の胎仔検査のデータがないことから、データ不足のため「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

データなし。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422;GLP)において、350 mg/kg(90日換算値:約175 mg/kg/day)以上の投与群で胃の境界線粘膜の過形成、噴門部粘膜の萎縮、さらに700 mg/kg(90日換算値:約350 mg/kg/day)投与群で腺胃のびらんと表層性出血、喘鳴、軟便、腹部膨満などがみられた。また、雄において体重増加の抑制、摂餌量の低値、一部の血液および血液化学検査値の変化、雌においては死亡が1例、切迫屠殺が1例みられた(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))。以上より、影響が認められた用量はガイダンス値範囲の上限を超えており、本物質が腐食性/刺激性を有することから、胃の所見は経口投与による局所影響と判断され、分類対象としなかった。したがって、経口投与においては区分外相当と見なされるが、他経路での情報がないため、.特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類は「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
48h LC50:326 mg/L (Oryzias latipes)96h LC50:>100 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
48h EC50:130 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
72h EC50:90 mg/L (Selenastrum capricornutum)

残留性・分解性:

3 % (by BOD) , 0 % (by HPLC) , 0 % (by TOC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

<0.4 (conc. 0.5 mg/L) , <4.1 (conc. 0.05 mg/L)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3261

品名(国連輸送名):

Corrosive solid, acidic, organic, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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