急性毒性
経口
ラットにおけるLD50値 5000mg/kg 以上(JMPR (No.897, 1995))および10000mg/kg 以上(Patty (5th, 2001))に基づき、区分外とした。
経皮
ウサギにおけるLD50値 22600mg/kg (Patty (5th, 2001))に基づき、区分外とした。
吸入
吸入(ガス): GHSの定義による固体である。
吸入(蒸気): データなし
吸入(粉じん): ラットのLC50値 0.39mg/L/4h (JMPR (No. 897, 1995)) より区分2とした。ラット2試験においてLC50値 (4h)雄0.39mg/l, 雌0.43mg/l (JMPR (No. 897, 1995)), LC50値 (2h):>5.0mg/l (Patty (5th, 2001))が得られた。本物質の飽和蒸気圧濃度(換算値)は0.02ppmである。得られたLC50値は、飽和蒸気圧を超えているため蒸気ではなく、ダストの基準で分類した。
皮膚腐食性・刺激性
データなし
眼に対する重篤な損傷・刺激性
データなし
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットを用いた試験(Maximization test)(JMPR (No. 897, 1995))において、動物の30%以上(18/20匹)に広範性の発赤がみられ、「strong sensitizer」の評価結果があることから、区分1とした。
生殖細胞変異原性
in vivo変異原性試験(ラット骨髄細胞を用いる小核試験)の陰性結果(JMPR (No. 897, 1995))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験のエームス試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験において陽性、チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞によるhprt 遺伝子座位遺伝子突然変異にて陰性結果を示した(JMPR (No. 897, 1995))。
発がん性
ラット(Charles River Crl:CD (SD) BR, Fischer 344)を用いた試験(JMPR (No.897, 1995))において発がん性はみられていない。マウス(CD-1)を用いた2試験(JMPR (No. 897, 1995))においては、十二指腸線腫、十二指腸腫癌および胃に良性乳頭腫がみられた。十二指腸にみられた腫瘍は、十二指腸閉塞によってフォルペットが滞留し引き起こった間接的影響であると記述あるが、主に消化器系における腫瘍発現が複数の試験でみられ、またUS EPA(IRIS (2002))でB2としていることから、区分2とした。
生殖毒性
ラットを用いた催奇形性試験(JMRP (No. 897, 1995)) において、親動物に一般毒性が示された用量で生殖毒性(着床損失、母動物の体重増加抑制、子宮重量の減少、用量相関性のある骨化の遅延)がみられ、ウサギを用いた催奇形性試験で、親動物に毒性が示された用量で、脳水腫、骨、消化器、肺に奇形が見られた(JMPR (No.897, 1995))ことから区分2とした。