急性毒性
経口
ラットのLD50値がEHC 92(1989)に675mg/kg (元文献1986), 840mg/kg (元文献1984), 990mg/kg (元文献1979), 7071mg/kg (元文献1970), >8000mg/kg (元文献1972), 8800mg/kg (元文献1969)で区分外(2000mg/kg 体重以上)にあたるデータと、675~990mg/kg 体重(EHC 92,1989、EHC(J)92,1990) で区分4(300~2000mg/kg 体重)にあたるデータが同数あるため、元文献が新しい方を採用し区分4に分類した。
経皮
ラットの経皮試験(EHC 92,1989、JMPR 356,1976)におけるLD50が10000 mg/kg 体重以上であり、区分外(JIS;2000mg/kg 体重以上、GHS;5000mg/kg 体重以上)にあたる。
吸入
吸入(ミスト): GHSの定義における固体である。
吸入(粉じん): ラットの吸入試験(EHC 92,1989、JMPR 356,1976)におけるばく露経路は不明であるが蒸気圧(0.00014mmHg@25℃(参考資料SRC Acces on 6,2008)からミストまたは粉じんと考えられる。しかしLC50が0.872 mg/l (24H)以上、すなわち0.145mgl(4H)以上であり区分2~区分外のいずれかであるため分類できない。
吸入(蒸気): データなし
吸入(ガス): GHSの定義における固体である。融点が30-35℃で黄色の粘稠な油あるいはペースト(ICSC(J),2001)であるため液体としての物理化学的危険性も判断した。
皮膚腐食性・刺激性
データなし
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギの試験データ(EHC 92,1989、JMPR 356,1976)において、「刺激や角膜障害、眼への障害を示さなかった」との記述があるので区分外とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:モルモットの試験データ(EHC 92,1989、JMPR 356,1976)において「紅斑の痕跡を示したのみであり感作性、刺激性は低い」との記述があり、皮膚感作性を明らかに結論づけているわけではないので分類できないとした。
呼吸器感作性:データなし
生殖細胞変異原性
in vivo 変異原性試験(ラット小核試験)(ATSDR,2003)において陽性であることから区分2とした。
発がん性
データなし
生殖毒性
ウサギの試験データ(EHC 92,1989、JMPR 356,1976)において、親動物に一般毒性が示されない用量で「すべての用量で胎児の消失がみられた」との記述があり、区分1Bとした。