急性毒性
経口
ラットLD50値: 953, 965, 1225, 1297, 1314, 1340mg/kg bw (IUCLID (2000))。(GHS分類:区分4)
経皮
ラットLD50値: 714, 794, 1439mg/kg bw(IUCLID (2000))。ウサギLD50値: 1439 mg/kg bw(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分3)
吸入
吸入(ミスト): データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気): ラットLC50値: 約 20 ppm/L/4hr 、約 79.8 ppm/4hr (IUCLID (2000))。なお、試験は飽和蒸気圧濃度(524 ppm)の90%以下の試験であり、気体の基準値を適用した。(GHS分類:区分1)
吸入(ガス): GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
皮膚腐食性・刺激性
ウサギを用いた試験(OECD TG404)で、ばく露3分後に刺激性(irritation)、1時間後に腐食性(corrosive)との結果(IUCLID (2000))がある。(GHS分類:区分1)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性
ウサギを用いた試験で腐食性(corrosive) (IUCLID (2000))。(GHS分類:区分1)
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性
エームス試験で陰性(既存化学物質 変異原性試験データ集 補遺2版 (2000))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない。)
発がん性
データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性
データなし。(GHS分類:分類できない)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ラットに2日間吸入ばく露した結果、104 ppm/4h(蒸気)(0.8 mg/L/4h)の用量で、眼、鼻の刺激、流涎、呼吸困難、剖検では肺の腫脹、組織学的所見では肺気腫が認められた(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分2(呼吸器系))
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラットの雄のみ1群4匹の試験のため、反復投与試験として不十分であるが、14日間吸入ばく露試験において、5 ppm(90日換算:0.0051 mg/L/6hr)で軽度の鼻刺激、軽度の肺胞壁の肥厚、20 ppm(90日換算:0.02 mg/L/6hr)で重度の鼻刺激、呼吸困難、肺胞壁の肥厚と肺の虚脱領域が報告され(IUCLID (2000))、呼吸器に関して複数の指標で影響が用量依存性が認められた。なお、マウスに1ヵ月間経口投与により182 mg/kg/day (90日換算:60.7 mg/kg/day)で、コリンエステラーゼ活性の低下が報告されている(IUCLID (2000))が、症状や組織学的変化などその他の所見について記載はなく、また、対照群の設定も不確かなため分類の根拠としなかった。(GHS分類:区分2(呼吸器))
吸引性呼吸器有害性
データなし。(GHS分類:分類できない)